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飯田氏の裁判の問題(6) 取調官の伝聞供述で犯人にされる裁判
 飯田氏の裁判では、飯田氏が現場アパートの室内に立ち入っていたこと自体は争いがありません。

 《事件の経緯(6) 辻褄が合う被疑者の釈明》で説明したように、他ならぬ飯田氏自身が逮捕早々、事件当日に現場アパートに立ち入ったことを認めていますし、また、《事件の経緯(7) 「現場に容疑者の血痕」報道の真相》などで言及した「A子さんの血液と飯田氏のツバなどが混ざったものである可能性が高い血痕」によっても、飯田氏が現場アパートに立ち入った事実があったことは裏づけられているからです。

 そこで、裁判で問題になったのは、飯田氏が現場アパートに立ち入ったのは「いつ」だったのか、ということです。

 この点について飯田氏は、「現場アパートでA子さんに示談書の書き方を教え、その後に一緒に食事に行った」とする内容の供述を逮捕当初から一貫させています。つまり、飯田氏の主張によれば、現場アパートに立ち入ったのは「A子さんと一緒に食事に行く前」だった、ということになるわけです(詳細な飯田氏の主張は、《事件の経緯(6) 辻褄が合う被疑者の釈明》を参照)。

 これに対し、検察は飯田氏の釈明を「虚偽の弁解」とし、「被告人が現場アパートに立ち入る機会があったのは食事の後、つまり、被害者が殺害された時間帯しかありえない」と主張しました(前記B)。しかし、この検察の主張は非常に無理で、無謀なものでした。

 検察主張の趣旨をゆがめない範囲で要約すると、検察は、

「逮捕5日ころの取り調べで被告人は警察官に対し、事件当日の午後5時15分過ぎに東広島駅前の市営駐車場に車を入庫させ、被害者と落ち合ったという内容の供述をしていた」
 
 ということを根拠に以下のようなことを主張したのです。

「同駐車場には事件当日、午後5時16分に入庫し、同24分に出庫した車があった記録があり、時間的にこれが被告人の車だと認められる。その後、被告人と被害者の姿は午後6時ころ、同駅から車で33〜37分かかるホテル『W』の防犯カメラで確認されている。
したがって、被告人が被害者と一緒に食事に行く前、現場アパートに立ち寄って示談書の書き方を教えるのは時間的に不可能である。被告人が現場アパートに立ち入ったのは、被害者と午後7時31分までファミレスで食事をした後、つまり被害者が殺害された時間帯以外にありえない」


 事件の詳細を知らない人がみれば、この検察の主張に対し、何か複雑で、難しい内容であるような印象を受けるかもしれません。

 しかし、この検察主張の実態は、きわめてシンプルです。なぜかというと、この検察の主張は事実上、飯田氏を取り調べた警察官の供述のみに依拠した主張に過ぎないからです。
要するにこの検察主張の実態は、

「被告人は、逮捕5日目ころの取り調べで警察官に対し、現場アパートに立ち入った時間帯が犯行時間帯であることを示す供述をしていた」
 
 という内容に過ぎません。

 ただし、そのような飯田氏の供述を録取した調書が存在するわけではなく、検察が法廷に呼んだ警察官が勝手にそういう趣旨のことを言っているだけなのです。

 この警察官の供述は伝聞証拠ですから、そもそも証拠として使えるか否かも当然争点になっています
(※1)
 
 しかし法律的にどうであれ、「調書にしているわけではないですが、被告人は、取調中にこんなことを言っていました」などという内容の警察官の証言で被告人を有罪にしようとすること自体、あまりにも無理があります。

 被告人が署名押印している調書の供述でさえ、被告人が本当に言ったことなのか否かがしばしば裁判で問題になることを思えば、そのことがわからない人はいないでしょう。

 そして飯田氏本人も裁判では、「取り調べで、駅前の市営駐車場に車を入庫させたとは一度も言っていない」とこの警察官の証言を一貫して否定しました。

 ところが、この裁判では、この市営駐車場に検察出張に合致する車の入出庫記録があることから、それがとくに根拠もなく飯田氏の車だと決めつけられるなどして、一審判決、控訴審判決(確定判決)共にこの警察官の証言が信用されてしまっているのです。

 その上で飯田氏は、犯行時間帯に現場アパートに立ち入ったと認定されているのですが、こんな無謀な事実認定がされていたら、警察に捕まった人はみんな有罪になってしまうでしょう。


NEXT>>>飯田氏の裁判の問題(7) 犯人と考えるには証拠を残し過ぎの被告人


※1 この警察官の証言については、実は立証趣旨を逸脱して不意打ち的になされたものであるという問題もありますが、その点に言及すると話がややこしくなりますので、ここでは割愛します。



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飯田氏の裁判の問題>

飯田氏の裁判の問題(1) 認定されたストーリーの不可解

飯田氏の裁判の問題(2) 事件とは全く無関係なことが有罪の根拠に

飯田氏の裁判の問題(3) 客観的状況より捜査関係者の憶測を信じる裁判官

飯田氏に裁判の問題(4) 作為的な証拠に簡単に騙される裁判官

飯田氏の裁判の問題(5) 根拠もなく罪証隠滅行為ということに

■飯田氏の裁判の問題(6) 取調官の伝聞供述で犯人にされる裁判

飯田氏の裁判の問題(7) 犯人と考えるには証拠を残し過ぎの被告人

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