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飯田氏の裁判の問題(1) 認定されたストーリーの不可解
 殺人罪と窃盗罪で起訴されたこの事件の被告人・飯田氏は2008年10月16日、広島地裁(裁判長裁判官・伊奈波宏仁氏、陪席裁判官・高松晃司、工藤美香の各氏)の第一審で殺人罪、窃盗罪共に有罪とする懲役20年の判決を言い渡されました(求刑は25年)。
 そして控訴審の広島高裁(裁判長裁判官・竹田隆氏、陪席裁判官・野原利幸、結城剛行の各氏)では2010年7月29日、一審判決が破棄された上、懲役10年の判決を言い渡されました。

 なぜ、控訴審判決では懲役が一審判決の半分になったかというと、主に司法解剖の結果をもとに「暴行時の殺意」が認められなかったためです。

 つまり、広島高裁は、司法解剖の結果によれば、

・ A子さんが受傷後、数十分から数時間生存していたと認められること
・ A子さんの遺体の損傷の大半が拳のようなもので殴打されたり、足で蹴られたものであると推測されること
 
 ──などを根拠として、被害者のA子さんを暴行した際に飯田氏に殺意があったと認めるには合理的な疑いが残ると判示し、傷害致死罪を適用したのです。

 そして、上告審では、最高裁第一小法廷(裁判長裁判官・金築誠志氏、裁判官・宮川光治、櫻井龍子、横田尤孝、白木勇の各氏)が裁判官全員一致の意見で2011年7月7日、一貫して無罪を訴える飯田氏の上告を棄却する決定をし、これに対する飯田氏の異議申し立ても同8月3日に棄却して、広島高裁で出た懲役10年の判決を確定させたのです。

 さて、ここで最初に指摘しておかなければならない裁判の問題は、この事件の真相が「殺人事件」であれ、「傷害致死事件」であれ、裁判で認定された飯田氏の犯行ストーリーが非常に不可解であることです。

 まず、この事件の真相を「殺人事件」だと考えた広島地裁による一審判決の認定ストーリーからみてみましょう。それは、次のようなものでした。

1、被告人は、平成19年4月29日午後8時ころから同日午後8時30分ころまでの間に、広島県東広島市●●町●●●所在の×××(短期賃貸アパートの名前)203号室において、A子(当時33歳)に対し、殺意をもって、その頭部及び顔面等を鈍体等で殴打するなどし、よって、そのころ、同所において、同人を外傷性ショック死により死亡させて殺害した(※1)

2、被告人は、同日午後8時ころから同月30日午前3時ころまでの間に、上記×××(短期賃貸アパートの名前)において、上記A子の所有に係る現金約146万円を窃取した。

 この一審判決の認定ストーリーの不可解な点は、大きく2つあります。

 一点目は、「飯田氏が自分の首を絞めるようなミエミエの犯行に及んだことになっていること」です。

 それというのも、先に触れたように、A子さんが事件当日の4月29日、午後9時から不倫相手の妻・晶子さんと示談をする予定になっていたことは、A子さんの不倫問題の相談にのっていた飯田氏も当然知っていたことです。しかも、飯田氏はA子さんの相談にのる中、事件当日まで携帯電話でA子さんと頻繁にやりとりしていたのです。

 そんな状況において、飯田氏が「午後8時ころから同8時30分ころ」という示談の予定時間直前にA子さんを殺害すれば、一体どうなるでしょうか? そんなことをすれば、飯田氏も事件がすぐに発覚し、自分が真っ先に疑われることはわからないはずはないのです。そんな状況のもと、飯田氏が上記のような犯行に及んだと考えるの非合理的です。

 もっとも、飯田氏に何か切羽つまった事情があり、冷静な判断ができない状況に追い込まれていたとすれば、一審判決が認定したような無謀な犯行に手を染めた可能性もないわけではないでしょう。

 ところが、この一審判決では、動機は認定されていません。よっぽどの動機がないと、ありえないようなストーリーを認定しておきながら、動機が認定されていないのです。これが、一審判決が認定したストーリーの不可解さの二点目です。

 先に触れたように、事件当日の4月29日の時点で、飯田氏は「被害者のA子さんと6日前に知り合い、悩み相談室の業務として不倫問題の相談に乗っていただけに過ぎない人物」です。つまり、頭部や顔面を中心に執拗に殴打されていたA子さんの遺体の状況から推測される犯人像と、飯田氏の人物像は明らかに整合していないのです。

 そして実際、飯田氏には、A子さんを殺害しなければならない動機は何も見当たらず、検察官も裁判で動機は特定できませんでした。ところが、一審判決はこの動機をめぐる疑問から目を背け、動機を特定できないままで、
「被告人の目的は何かわからないが、自分の首を絞めることがミエミエの犯行に及んだのだろう」
 というようなワケのわからないストーリーを認定し、飯田氏をこの事件の犯人と認めてしまったということです。

 一方、広島高裁の控訴審判決(確定判決)は、一審判決が飯田氏をこの事件の犯人と認めたところまでは追認しつつ、暴行時に殺意があったことを認めませんでした。この点については、司法解剖の結果を信じていいならば、(飯田氏ではなく)真犯人がA子さんを暴行していた際に実は殺意はなかったと考えても、たしかにおかしくはないでしょう。

 むしろ、この事件の真相については、犯人が何らかの事情で、A子さんに対し、(殺害するためではなく)痛めつけるために頭部や顔面を執拗に殴打していたところ、犯人の意に反してA子さんは死亡してしまった──という「傷害致死事件」だったと考えたほうが自然とも言えるでしょう(あくまで、司法解剖の結果を信じてもいいならば、ですが)。

 ただ、控訴審判決(確定判決)は傷害致死罪を適用したことにより、一審判決よりさらに不可解なストーリーを認定する羽目になっています。具体的には、次の通りです。

1、被告人は、平成19年4月29日午後8時ころから同日午後8時30分ころまでの間に、広島県東広島市●●町●●●所在の×××(短期賃貸アパートの名前)203号室において、A子(当時33歳)に対し、その頭部及び顔面等を鈍体等で殴打するなどの暴行を加え、よって、そのころから同日午後11時30分ころまでの間に、同所において、外傷性ショック死により死亡させるに至らせた。

2、被告人は、同日午後8時ころから同月30日午前3時ころまでの間に、上記×××(短期賃貸アパートの名前)において、上記A子の所有に係る現金約146万円を窃取した。

 この控訴審判決(確定判決)のストーリーがなぜ、一審判決のストーリーよりさらに不可解かというと、飯田氏は、自分の身元を知っているA子さんに対し、死に至るほどの激しい暴行を加えた上、トドメを刺すことなく、お金を奪って逃げた──というような話になっているからです。これでは、飯田氏はわざわざ警察に捕まるために、この犯行に及んだようなものでしょう。

 このように、常識的に考えて、無理のあるストーリーを認定してしまったこの事件の裁判官たちは、検察が法廷で示した間接事実に漂う「なんとなく怪しい雰囲気」が、単なるまやかしだということに気づけず、不可解な有罪認定を重ねています。それを以下、なるべくわかりやすく説明します。


NEXT>>>飯田氏の裁判の問題点(2) 事件とは全く無関係なことが有罪の根拠に


※1 凶器が「鈍体等」とされているのは、凶器が見つかっていないばかりか、具体的な凶器が不明だからです。


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飯田氏の裁判の問題>

■飯田氏の裁判の問題(1) 認定されたストーリーの不可解

飯田氏の裁判の問題(2) 事件とは全く無関係なことが有罪の根拠に

飯田氏の裁判の問題(3) 客観的状況より捜査関係者の憶測を信じる裁判官

飯田氏に裁判の問題(4) 作為的な証拠に簡単に騙される裁判官

飯田氏の裁判の問題(5) 根拠もなく罪証隠滅行為ということに

飯田氏の裁判の問題(6) 取調官の伝聞供述で犯人にされる裁判

飯田氏の裁判の問題(7) 犯人と考えるには証拠を残し過ぎの被告人

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