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事件の概略(7) 「現場に容疑者の血痕」報道の真相

 ところで、事件発生当時の報道を覚えている地元の人の中には、有罪の決定的な物証や目撃証言が何も見つかっていないという前項の説明に対し、疑問を覚えられた方もいるのではないでしょうか?

「この事件では、たしか現場のアパートから飯田容疑者の血痕が見つかっていたはずだが、あれは決定的な物証ではないのか?」

 おそらく、地元の人の中には、そんなふうに思われた方もいるはずです。なぜなら、飯田氏の逮捕直後の5月19日、中国新聞が朝刊で「現場に容疑者の血痕」と大々的に報じているからです。
あの報道を目にして、いまも記憶している地元の人の中には、「現場アパートで飯田氏の血痕が見つかっている=飯田氏がA子さんを殺害した際に自らも出血したことを示す事実」と思い込んでいる人もいるのではないかと懸念します。

 そのように思っている人が実際にいれば、完全なる誤解です。

 なぜなら、地元マスコミが当時、「現場に容疑者の血痕」と報じていた血痕は、正確には「飯田氏の血痕」ではなく、「飯田氏のDNA型が含まれる血痕」に過ぎないからです。どういうことかと言うと、あの血痕からは、飯田氏のDNA型だけでなく、被害者のA子さんのDNA型も検出されているのです。

 つまり、あの血痕の実態は何かというと、次の3つの可能性があるわけです。

1、 飯田氏の血液と、A子さんの血液が混ざったものである可能性

2、 飯田氏の血液と、A子さんの血液以外の何らかの体液(たとえば、ツバなど)が 混ざったものである可能性

3、 A子さんの血液と、飯田氏の血液以外の何らかの体液(たとえば、ツバなど)が 混ざったものである可能性


 では、実際にこの血痕の実態が何だったかというと、状況的にこの血痕は、「3,A子さんの血液と、飯田氏の血液以外の何らかの体液(たとえば、ツバなど)が混ざったものである可能性」がきわめて高いものでした。

 なぜかというと、現場アパートの室内では大小様々な血痕が見つかっていますが、ほかの血痕から検出されたDNA型はA子さんのものだけで、飯田氏のDNA型は一切検出されていないからです。

 そうなると、この血痕によって証明されることは、せいぜい飯田氏がこの現場アパートに立ち入り、その際にツバなどの何らかの体液を遺留させていた程度のことに過ぎません。しかし、飯田氏が現場アパートに立ち入っていたことは、そもそも、この血痕によって証明されるまでもなく、他ならぬ飯田氏自身が逮捕当初から認めていることです。

 つまり、事件発生当時のマスコミ報道では、あたかも有力な証拠のように報じられていたこの血痕は、有罪の決め手とは到底なりえないものだったのです。

 なお、以下は余談になりますが──。

 この血痕に含まれるA子さん以外のDNA型が、飯田氏のDNA型と一致することについては、警察は表向き、飯田氏を逮捕した当日の5月17日付けで飯田氏から口腔内細胞の任意提出をうけ、広島県警科捜研が28日までかけて行った鑑定により、判明したことにしています。

 しかし、先に少し触れたように警察は、飯田氏の逮捕前にこの鑑定結果を得ていた可能性がきわめて高いのが現実です。

 なぜかというと、上記中国新聞の記事が出た5月19日の数日後、飯田氏が取り調べ中、警察官に対し、
「私の血痕が現場アパートで見つかったという記事が出ていたようだが、どういうことか?」
 と尋ねたところ、警察官が
「あれ、ずいぶん苦労したんだぞ」
 という趣旨のことを言っていたそうだからです。

 これはどういうことかというと、要するに、警察は飯田氏を逮捕する以前に、裁判所から礼状をとることなく、勝手に飯田氏の自宅やコンビニから出たゴミを漁り、それをもとにDNA型鑑定をしていたことを示しているわけです。

 このような証拠の収集の仕方は「違法」ですから、裁判では本来、証拠として使えません。したがって、警察は飯田氏の逮捕後に正式な手続きで再度、DNA型鑑定を行い、こちらを裁判の証拠にしたのでしょう。

 そして、このような状況からすると、警察は実際は、現場アパートで見つかった血痕から飯田氏のDNA型が検出されたことも被疑者特定の大きな根拠としていたことは自明です。

 ですから、このDNA型鑑定の結果を取り調べで、「決定的証拠」として突きつけるまでもなく、飯田氏が逮捕早々に自ら現場アパートに立ち入っていたことを認めた時には、取調官はなおさら焦ったことでしょう。

 さて、ここで思い出して欲しいのが、「A子さんの遺体の状況」と「A子さんと飯田氏の関係」です。

 そもそも、A子さんの遺体は、頭部や顔面を執拗に殴打されていて、怨恨からの犯行を強く疑わせる状況でした。

 これに対し、飯田氏は、「事件の6日前からA子さんの悩みの相談にのっていたに過ぎない人物」です。仮に飯田氏が犯人だったとしても、怨恨のセンは考えがいところです。

 また、A子さんの遺体や現場には、わいせつ目的の犯行だと示す形跡も皆無でした。さらに飯田氏が金銭的に困っている事情もまったくありませんでした。

 つまり、飯田氏には、この事件の犯行に及ぶ動機が何も見当たらないのに加え、「飯田氏の人物像」は「A子さんの遺体や現場の状況から想定される犯人像」と明らかにズレているのです。

 こうしてみると、飯田氏の逮捕後、かえって捜査が混迷していたことは明らかでしょう。


NEXT>>>事件の概略(8) 被疑者には一見疑わしい事実があるが……


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<事件の概略>

事件の概略(1) 短期賃貸アパートで見つかった遺体

事件の概略(2) 交友関係中心の捜査だったはずが……

事件の概略(3) 事件の6日前に出会ったばかりだった被害者と被疑者

事件の概略(4) 被害者と被疑者の6日間

事件の概略(5) 警察が間違った原因

事件の概略(6) 辻褄が合う被疑者の釈明

■事件の概略(7) 「現場に容疑者の血痕」報道の真相

事件の概略(8) 被疑者には一見疑わしい事実があるが……


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